JOURNALコラム

いまさら聞けないSDGs。個人の取り組みは無駄じゃない?

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs。
日本でも2016年に政府が実施方針を打ち出したことで、
行政・民間を問わず多様な方面から
そのアプローチが盛んとなっています。

ただ言葉としては広く知られるようになったSDGsですが、
「何となくエコな取り組み」など
意外と抽象的なイメージに留まっている方も多いかもしれません。

そこで今回は「SDGsとは何か?」をご紹介いたします。
SDGsの概念からその目的、そして具体的な取り組みを知ることで、
SDGsの知見を深めていただければと思います。

そもそもSDGsとは?

そもそもSDGsとは?

SDGsとは、
「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、
2015年9月に実施された国連サミットにおいて、
全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で
掲げられている指針となります。

ここで言う「持続可能な開発」とは、
将来にわたって地球環境や資源が守られ今と遜色ない状態でありつつ、
世界中のすべての人が安心して自分のやりたいことを
実現できる環境であることを示しています。

この「持続可能性(サステナビリティ)」という概念は、
1992年に開催された国連環境開発会議、通称「地球サミット」で
世界的に普及し始めることになりました。

さらに1997年に採択された地球温暖化対策のための
世界的な取り組みである「京都議定書」を通して、
よりその考えが広く世界に浸透していきます。

また、2000年には「ミレニアム開発目標(MDGs)」を通して、
2015年までに開発途上国の教育・貧困・健康などを
改善するための指針も発表されています。

そして2015年に、MDGsの後に続くものとして誕生したのがSDGsです。
SDGsでは、開発途上国だけでなく、先進国を含めた世界中の国々が
一丸となって様々な問題に取り組み、
「だれ一人取り残さない」世界を作ることを目的として掲げられています。

SDGsで掲げられた17の目標とは?

SDGsで掲げられた17の目標とは?

「Goals」と複数形になっていることからも分かるように、
SDGsには17の大きな目標があり、
それを達成するための169に及ぶ具体的なターゲットで構成されています。

その誕生した背景から、
17の目標は貧困・飢餓から、人権・ジェンダー、環境や経済など
様々な社会問題の分野に渡っています。

1. 貧困をなくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

2. 飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、
持続可能な農業を促進する

3. すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、
福祉を促進する

4. 質の高い教育をみんなに
すべての人々へ包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、
生涯学習の機会を促進する

5. ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

6. 安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な
近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8. 働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の
完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進
及び技術革新の推進を図る

10. 人や国の不平等をなくそう
各国内及び各国間の不平等を是正する

11. 住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12. つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する

13. 気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14. 海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、
持続可能な形で利用する

15. 陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、
持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、
ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16. 平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、
すべての人々に司法へのアクセスを提供し、
あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17. パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、
グローバル・パートナーシップを活性化する

17の目標の中には、「6. 安全な水とトイレを世界中に」といった
日本にいると感じづらいものもありますが、
世界規模で見るとまだまだ衛生面の課題を抱える国は多く、
またこれらの国だけで解決することが難しいケースもあります。

だからこそ、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」とすることで、
これらの問題を他人事化せずに目を向け、
どのように解決していくかを考えて、行動することを目標にしています。

資源という意味合いだけでなく、世界を1つの船と捉えることも含めて、
まさにフラーの提唱した「宇宙船地球号」のような考え方ではないでしょうか。

SDGsの具体的な取り組み

SDGsの具体的な取り組み

SDGsでは実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか。

日本政府はSDGsに対して2016年12月にSDGs実施方針として、
「普遍性」「包摂性」「参画型」「統合性」「透明性と説明責任」を
5つの主原則と定めています。

そして2017年から毎年「SDGsアクションプラン」を作成して、
日本政府が定めた優先8課題に対する取り組みを推進しています。

People 人間
1. あらゆる人々の活躍の推進
2. 健康・長寿の達成

Prosperity 繁栄
3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備

Planet 地球
5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

Peace 平和
7. 平和と安全・安心社会の実現

Partnership パートナーシップ
8. SDGs実施推進の体制と手段

日本政府は行政単体での役割はもちろん、
各種法案の策定を通した民間への支援などを通して
日本全体での取り組みを推進しています。

SDGsに取り組む民間企業に対する助成金での支援もその1つで、
環境に配慮した取り組みは政府や自治体から奨励されています。

よく取り組みの例として挙げられる「エコ」で言うと、
紙の節約や電気の節約などは環境・エネルギーの分野のSDGsの取り組みの一環で、
資源を大切にするというSDGsの精神につながります。

また、大企業では開発国に学校を建設したり、
インフラを整備したりといった貢献をしているケースもあります。

身近に感じることは少ないかもしれませんが、
日常生活において「エコバッグを持ってビニール袋を使わない」
「食品を食べきれる量だけ購入・注文してフードロスを減らす」など
個々人でもできることは数多くあります。

SDGsは確かに世界全体で掲げられるほどの大きな目標ですが、
政府や企業だけでなく、個人での意識も大切で、
その積み重ねこそが最終的に目指すものにつながっていると言えるでしょう。

まとめ

SDGsまとめ

SDGsは教育現場でも学習が進んでおり、
小・中・高それぞれの新学習指導要領の中でも
「持続可能性」についての言及は増加しています。

子供のころからSDGsに目を向けていくことで、
将来彼らの世代が大人になった時にはよりその考え方が浸透し、
取り組みが推進されていくことを目指していることが伺えます。

SDGsは「2030アジェンダ」となっているように
「2030年」を年限としていますが、「持続可能な開発」である以上、
求められていることは2030年以降もずっと続いていきます。

今個人にできることはそこまで大きなものではないかもしれませんが、
ご家庭で、学校で、職場で、日常生活の様々な場面で
SDGsの意味を理解して取り組む人が増えていけば、
SDGsは壮大な夢物語ではなく
未来の私たちやその先の世代にとっての理想郷になるのではないでしょうか。

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