JOURNALコラム

【マーケターズコラムVol.3】SNSは時代や世相を象徴するカルチャーである

SNSが日常生活に溶け込んで久しいですが、
これまで実に多くのSNSが生まれ、使われ、
その入れ替わりも激しく起こってきました。

今回はそんなSNSの歴史を追っていきながら、
現代人が求めるSNSを考察し、
トレンドを把握していこうと思います。

 

そもそもSNSとは

そもそもSNSとは

SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービス、
すなわちネット上でコミュニケーションを取る
サービスを表します。

現代では主にスマートフォンアプリとして活用され、
その種類も幅広くなっています。
また、コミュニケーションだけでなく、
情報収集ツールとしての側面を持っているSNSも増えてきています。

今やその活用範囲は一個人にとどまらず、
企業や法人、国家レベルでの活用もあります。
先日行われた参議院選挙でも各政党・候補者による
積極的な活用が見られたばかりですよね。

現代人にとって、SNSはもう切っても切り離せないツール
であることは間違いありません。
そんなSNSは、日本でどのように広まっていったのでしょうか。

 

「みゆきネット」から始まる黎明期のSNS

「みゆきネット」から始まる黎明期のSNS

1993年に始まったインターネットは、
当初ホームページ上に画像とテキストがただ並んでいるだけのレベルが大半で、
あとは電子メールで利用される程度でした。
そんな中、1996年に生まれたのが会員制の「みゆきネット」です。

1999年にはサービスを終了しており、
過去の画像なども見つからず、当時の資料もないですが、
ネット上でやり取りできるサービスとして一部のユーザーが
利用していたようです。

そこから1999年に「2ちゃんねる」が誕生しました。
知っている方も多いですが、巨大掲示板として
匿名でやり取りができるサービスとして親しまれ、
現在の「5ちゃんねる」へと繋がっていきます。

ちなみにこの間、アメリカでは「SixDegrees.com」が
話題となりました。
1997年~2001年まで運営されていたサイトで、
自分の知り合いから6人をたどれば世界中のすべての人とつながる
=6次の隔たり(Six Degrees of Separations)から命名されています。
実は日本の「GREE」もこの6次の隔たりから名前を付けています。

2002年には 「Firendster」が生まれましたが、
これは一時期アメリカで最大規模を誇った招待制のSNSです。
ブログ、コミュニティの機能など今でも広く利用されている
SNSの基盤が構築されたSNSとしても有名です。

 

日本の2大SNSとなったGREEとmixi

日本の2大SNSとなったGREEとmixi

そして時代は2000年代中盤に差し掛かります。
日本では最初に「GREE」が世の中を席巻しました。

「GREE」は先述の通り
「Six Degrees of Separations」から名付けられており、
招待制のSNSで日記、写真からコミュニティ、メールまで
幅広く機能を搭載していました。

「GREE」が流行った背景には、携帯電話での利用が挙げられます。
2005年にサービスが始まったモバイル版「GREE」は
「踊り子クリノッペ」「釣り★スタ」「探検ドリランド」など、
携帯版独自のコンテンツとして様々なゲームを展開しました。
その他にも音楽・デコメール・占いなどユーザーの需要を満たし、
爆発的な人気を博しました。

そして、日本の元祖SNSと呼ばれるmixiも
2004年に誕生しました。
元々2000年初頭に求人サイトとして立ち上げられましたが、
招待制のSNSでサービス展開を行い、
日本のSNS文化を間違いなく躍進させた立役者です。

招待制であることから信頼度が高く、
周りの友人がみんな使っていたというレベルで国内では広まりました。
「マイミク」と呼ばれる友達登録を行い、
特に利用率の高かった「日記」でお互い素の自分をさらけ出すのが
当たり前になっていきました。

その他コミュニティ機能なども充実しており、
いつもの仲間とやり取りをしたり、
古い友人と久々にやり取りをしたり、
同じ趣味を持つ知らない方とやり取りをしたり。
まさにSNSとしての広がりを見せたサービスと言えます。

先述の「2ちゃんねる」でも一部ありましたが、
「オフ会」という概念が作られたのもこの頃からです。
ネットで繋がる、という今の時代の基盤がここで
作られたといっても過言ではないでしょう。

この2つ以外にも、2006年に誕生した「Mobage(モバゲー)」は
仮想空間でのアバターで疑似的な自分を作り、
やり取りできるSNSとして流行しました。

特にゲームコンテンツに優れており、
CMでの露出も相まってユーザーは一気に広がっていきます。
課金制など今のスマートフォンゲームアプリにも通じる
仕組みを形作ったSNSとも言えますね。

 

海外発のSNSが勃興

海外発のSNSが勃興

この頃には海外でも多くのSNSが生まれました。
2003年にはビジネスに特化した「LinkedIn」、
そして2004年には世界最大のSNSとなる「Facebook」が
誕生しています。

「Facebook」はこれまでのSNSと異なり実名登録制で、
日本では浸透するのにやや時間がかかりました。

日本語のサービスが展開された2008年当初は
mixiやGREE、Mobage、後述するTwitterの後塵を拝し、
日本はFacebook後進国とも呼ばれていました。
そこから2010年に日本支社が設立され、
2011年までに一気にサービス利用者を増やしています。
2011年9月末には1000万人を超え、
メディアでもどんどん採り上げられるようになりました。

「Twitter」も2006年に誕生し、
2008年に日本版がリリースされました。
「#(ハッシュタグ)」「RT(リツイート)」など
独自の仕組みを有しており、
140文字というルールの中で発言していくなど
これまでとは毛色の異なるSNSとして利用者を増やしていきました。

日本では著名人や企業での利用も進み、
2010年には「~なう」が「ユーキャン 新語・流行語大賞」に
選出されています。
また、2011年に起こった東日本大震災で
電話回線がストップした際にも機能したことで、
情報収集ややり取りのツールとして爆発的に広まっていきました。

この時期には今でも続くSNSがどんどん生まれていきました。
そこにはiPhoneをはじめとするスマートフォンの普及も影響しており、
PC利用やガラケー利用の多い旧式のSNSは淘汰されていくことになります。

 

動画SNSというプラットフォームの確立

動画SNSというプラットフォームの確立

FacebookやTwitterが広がっていく中、
また別のムーブメントとして流行したのが動画SNSです。

これまで文字や写真でやり取りをしていくことが中心だったSNSですが、
動画SNSでは動画を介して投稿者と閲覧者がコメントで
コミュニケーションを取っていくことになります。

アメリカでは今でも大人気の「YouTube」が2005年に生まれました。
最初に投稿された動画は、設立者のJawed Karim氏が
動物園の象の檻の前で話すというだけの動画でしたが、
ここから始まったと思うと感慨深いものがありますね。
この動画は今では2億回以上も再生されています。

日本では2007年に対応が始まり、
2008年にはYouTube Live in Tokyoも開催されています。
流行したのは2013年ごろからで、
2014年の「好きなことで、生きていく」という
テレビCMを覚えている方も多いのではないでしょうか。

日本でYouTubeよりも前に流行したのが
「ニコニコ動画」です。
2006年よりスタートしたニコニコ動画は
当初はYouTubeの動画を転載する程度でした。
そこから2007年には徐々に投稿サイトとして頭角を現し、
サブカルチャー層を中心に爆発的に広がりました。

特に2000年代後半~2010年代前半にかけてはVOCALOIDの投稿も多く、
歌い手や踊り手、ゲーム実況など今でも人気の
カテゴリ動画が次々と生まれていきました。

動画で忘れてはいけないのは「Vine」です。
2013年にサービスが始まったVineはTwitterの流行に合わせて
次々と視聴者を増やしていき、短尺動画のブームを作りました。

2017年にはサービスが終了してしまいますが、
短い動画はその後InstagramやTikTok、YouTubeにも
影響を残したといえるでしょう。

コロナ禍で巣ごもりが増えてきた中で、
動画SNSは視聴者・視聴時間をいずれも伸ばし、
流行が動画SNSから出てくることも珍しくなくなっています。

 

SNSの新時代到来、この先はどうなる?

SNSの新時代到来、この先はどうなる?

ここからは今でも最前線を走っているSNSを紹介していきます。
1つ目は、「LINE」です。

2011年に突如登場した「LINE」は、
わずか半年で1000万ダウンロードを記録するなど
これまでのSNSの常識を覆してきました。

メールやSMSの文化を廃れさせるほどの勢いで広がり、
連絡ツールは「LINE」というのが定番化してきました。
SNSの中でも特にコミュニケーションに特化したツールであり、
そこから様々なサービスへと広がりを見せています。

2つ目は「Instagram」です。
2010年に生まれたこのサービスはアメリカを中心に世界で流行しましたが、
日本版は2014年リリースと、Twitterの影響力が強かったことで
参入までに時間を要しています。

それでも「インスタ映え」「インスタ女子」という言葉を生み出したように
日本でも2015~2016年には瞬く間に広がり、
写真だけでなく動画プラットフォームとしても活躍しています。

また、ストーリーズの機能などSnapchatの対抗馬として
機能を搭載したことも追い風となりました。
今では「LINE」に代わる連絡ツールとしての役割を果たすこともあります。

3つ目は「TikTok」。
2016年に生まれ、まさに新時代のSNSとも呼べる「TikTok」は
若年層を中心に日本、そして世界で利用されています。
アクティブ率が圧倒的に高いという特徴を持ち、
TikTok初のアーティストが生まれたり、 ブームも度々起こったりしています。

2018年に日本で利用できるようになってからは、
TVCMやSNS広告を中心に露出を高めていき、
気が付けば時代を取ったSNSにもなっています。
Instagramのストーリーズリール、YouTubeのショートもそうですが、
縦型動画の概念を定着させたSNSでもあります。

この他にも、「ミクチャ(MIXCHANNEL)」や「Snapchat」、
「Clubhouse」、「Pococha」など数多くのSNSが生まれています。
その分競争も激しくなっており、
まさにSNSは群雄割拠の時代とも言えるでしょう。

今後のSNSには、一体どんな未来が待っているのでしょうか。
2021年にFacebookから社名変更したMeta社は、
技術の進歩により、VR・ARからさらに進化した
メタバースを強調してもいます。

SNSの歴史を振り返ると、その顔は移り変わっています。
時にはゲームのプラットフォームとして。
時には動画のプラットフォームとして。
そしてコロナ禍で原点回帰したコミュニケーションのプラットフォームとして。
いずれにしても時代を象徴するのがSNSです。

どのような方向に進むとしても、
それは社会が求めた結果であり、
そして人と人をつなぐものでもあります。

当時は失敗に終わったと言われていますが、
2007年に生まれた「SecondLife」のようなSNSが
これからは成功するのかもしれませんね。
未来が楽しみで仕方ないです。

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